秘密のバフェット流ETFを教えます。




レジェンド投資家として名を馳せる投資家、ウォーレン・バフェット。

今日は彼の人生を代弁しているようなETFを紹介したいと思います。

先に言っておきますが、S&P500インデックス系ETFではありませんよ。

バフェットが勝ち続けてきた理由とは?

バフェットがバークシャー・ハサウェイの経営権を握ったのが1965年。

バフェットはアメリカ株の指標であるS&P500のリターンに勝ち続けて、その間S&P500の上昇率が約140倍に対してバークシャー・ハサウェイの株価は約20000倍と大幅にアウトパフォームしてきました。

これを複利計算にしてみると、およそ年21%のリターンを50年間継続していることになります。

逆にいえば伝説のバフェットで年間20%なのですから、素人が勘で売買を繰り返して市場の何倍ものリターンを狙うということがいかに無謀であるかを考えさせてくれますね。

しかし、バフェットはなぜS&Pに勝ち続けることができたのでしょうか?

ウォーレン・バフェットと言えば、コカコーラ社などへの投資が有名でしたが、彼の企業を見る目が卓越していた意外の理由はないのでしょうか?

低ベータとレバレッジ

ウォーレン・バフェットが勝ち続けた戦略は、低ベータとレバレッジ、この2語に集約することができると言われています。

ベータとは?

ベータとは、株式市場が1%変化したときに、任意の株式のリターンが何%変化するかを表す係数を意味します。

例えば、アメリカ市場全体が2%動いたときに、1%しか動かない株であればベータは0.5です。

低ベータ株というのはこのベータ値が低い株のことで、値動きが小さく景気後退局面に強いディフェンシブ株の指標とされます。

レバレッジとは?

レバレッジとは、経済活動において、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めることで、テコの原理によく例えられます。

バフェットは、借金が嫌いだったことでも有名ですが、これはバークシャー・ハサウェイの自己資本比率が100%だったことを意味しません。バフェットは信用をテコにして、通常の借金よりも安く借入をすることのできる体制を築き上げました。

専門家の分析によれば、バフェットがバークシャー・ハサウェイで株式にかけてきたレバレッジは平均して1.6倍くらいだったそうです。

バフェットは低コストで資金調達をできる体制をいち早くつくり、レバレッジをかけた資金をコカ・コーラなどの低ベータ株につぎ込んだのです。

実は、バフェットが選んできた企業の成績というのは、平均より優れているものの統計的に例外的な数値ではありませんでした。彼を大富豪へと押し上げたのは、レバレッジをかけた低ベータ株運用だったわけです。

バフェットが成功した理由をこう結論したのは本人ではなく、他の学者です。バフェット自身は効率的市場仮説をまったく信じず、むしろベータなどの概念を嫌ってすらいました。

僕たちがバフェット流投資術を採用できない理由

2017年8月29日

僕たちがバフェットの真似をしようと思っても、それほどカンタンに低コストでの資金調達はできないですし、難しいと思いますよね。

でも、バフェットがやってきたことに近いことを実現できるようなETF商品はあります。

CUREはヘルスケア株に3倍のレバレッジをかけたETF

CUREはS&Pヘルスケア・セレクト・セクター・インデックスの3倍となる投資成果を目指したETFです。

不景気の際でも医療費というのは削られにくいこともあり、ディフェンシブなセクターとして有名です。

インデックスのセクター別構成比率

医薬品が35%、バイオテクノロジーが28%、ヘルスケア・プロバイダー&サービスが20%、ヘルスケア機器&用品が13%ライフサイエンス・ツール&サービスが4%、ヘルスケア・テクノロジーが1%ほどとなっています。

組入上位銘柄について

組入上位銘柄としては、優良ディフェンシブ株のジョンソン&ジョンソンの10%を筆頭に、ファイザー、ギリアド・サイエンシズ、メルクなどの有名ヘルスケア会社が並びます。

ヘルスケアセクターの過去の成績

ヘルスケアセクターは当サイト一押しのETFで、シーゲル教授の過去50年のセクター別の研究成果では第1位の平均年率リターン14.19%を長期に渡って誇ってきたセクターになります。シーゲル教授の著書が発売された後のヘルスケアセクターのリターンも極めて高いまま推移しています。2008年のリーマンショックにおける下落幅も小さく、ローリスク・ハイリターンな申し分のない成績です。

主要ETFの過去データを振り返る

2017年8月7日

ヘルスケアセクターの特徴として、全体としてディフェンシブなセクターであることは間違いないが、銘柄毎の好調不調の差は大きめという印象があります。これは新薬の研究費が莫大な投資になっていたり、訴訟リスクなども抱えている会社が多いためだと考えられます。ギリアド・サイエンシズの一時の暴落などは記憶に新しいです。そのため、個別株よりもETFを購入するのが特に推奨されるセクターですね。

CUREの経費率は?

CUREの純経費率は0.95%と高めです。

ただし、これはレバレッジ商品としては仕方のない部分だと思います。

参考までに、S&P500に3倍のレバレッジをかけた商品のSPXLの総経費率は1.01%となっています。

CUREは買いか?

まず前提として、CUREはレバレッジが3倍かけられているため、誰にでもおすすめできる商品ではありません。

誰にでもおすすめのできる鉄板のヘルスケアETFとしてはVHTをオススメしています。

レバレッジ商品との特徴として、例えばVTIなどの商品のように、長期で持っていればまず大丈夫と断言することができません。

一度でも暴落を経験することになった場合、一気に資産価値を失いその後の回復は難航を極めることになります。

しかし、一方でCUREはバフェットが長年勝ち続けてきたのと同じ原理を取り入れた合理的な商品ということができ、突出したリターンを期待できるETFです。

ポートフォリオの大半をこのETFにするというような暴挙はオススメできませんが、ポートフォリオ全体のリターンを高めるために、一部このETFを採用するというのは読者の方のリスク選好度によっては、ありえなくない選択肢だと思っています。

僕も今後、保有する可能性を考えている実に面白いETFのご紹介でした。

レバレッジETFの有効性を考察した記事もありますのでそちらも合わせてご覧ください。

レバレッジETFを考える

2017年7月11日

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