米株クラスタの皆さんはふるさと納税やってますか?
僕は仕方なくやってます。世紀のクソ制度ですよね、あれ。
いかにクソな制度かを語った後に、そのクソ制度を利用したおすすめの節税法を語ることにしましょう。
ふるさと納税がダメな理由
ふるさと納税がクソ制度な理由は3つあります。
・金持ちに対するバラマキ制度であり、本来の理念がまったく反映されていない
・返礼品が限定されているため経済的に非効率である
・受益者負担の原則に反している
まず、ふるさと納税は、寄付の文化を根付かせ、国民が自分たちで税金の使途を決められる民主的な理念が出発点にありました。しかし、もはや民主的だとか税金の使途だとか何も関係ないような制度と化しています。
国民は自分の故郷でなくても自分で自治体を選んで寄付という形で納税することができます。そして寄付した額の分だけ、自己負担金の2000円を除いて翌年の住民税から控除されます(または所得税から還付)。ただし、この控除または還付は、住民票を置いてあるところからの控除となるため、寄付を受けた自治体は丸儲けなわけです。
ほとんどの自治体は寄付を集めるために返礼品としておおよそ寄付額の40%を相場としたお礼の品を用意しており、この返礼品がネット上で市場化され、泥沼の返礼品競争となりました。
さらに、ふるさと納税の最大控除額は、収入が高い人ほど多くなります。年収400万くらいまでは大した額の控除ではなく4万円程度なのですが、これが年収1000万だと17万、2000万だと56万、5000万だと200万といったようにあがっていきます。庶民の控除額なんてほとんどおまけのようなものです。
税金として集められたお金が、返礼品の購入に使われ、金持ちがそれをタダで受け取るというのがふるさと納税で起きていることです。潤ってるのは返礼品認定を受けた企業と、金持ちですよね。
税金ってなんのために集めてるんでしたっけ?
貧しい人に再分配したり、公共財を作るためですよね?
なんでわざわざ税金として集めたお金を逆の目的に使うんでしょうか。仮にお金持ちを優遇したいのであれば、単に減税すればいいのです。一度政府を通すことで余計なコストもかかりまくっています(寄付はクレカ決済も可能です、つまりクレジット会社も略)。
それに、欲しくもない返礼品を選ばせてそのお金を自治体が負担するなんて、どう考えても非効率でしょう。もし減税が行われれば、その分のお金をお金持ちは自由に使えますが、返礼品は選択肢が少ないため効用が落ちます。株主優待を批判する記事を前に書きましたが、同じようなロジックです。
政府は返礼品競争が加熱している状況をまずいとは認識していたようでしたが、その結果として返礼品に金銭的類似性の高い返礼品が禁止され、さらに返礼品の効用が下がりました。笑
税金が自治体から金持ちへのプレゼントに使われるという構造はそのままに、プレゼントの質を下げなさいということになったわけです。アホくさ。
さらに問題なのは、返礼品は自治体として名産の有無により用意しやすい地域とそうでない地域があるため、勝ち組と負け組が二極化して、都市から地方へと富が移動してるわけではなく、地方から地方へと富が移動した結果、より貧しくなった地方都市ができてしまいました。
たまたま名産に恵まれなかった地方に住む人は、自分の払った税金が他の自治体へと渡り、そのうち6割はその自治体の資金となり、そのうち4割は名産品となって金持ちの元に渡ることになったわけです。本来、税金はその税金の使途による受益者が負担するのが望ましいとされていますが、この原則からも逸脱しています。
こんなにアホくさい制度なのに、あまり文句の声が聞こえないのは、一見国民が得をしてるように見えるからですかね。それ、自分たちが払った税金から出てるお金なんですけどね。
ふるさと納税による節税方法
さて、文句を言うのはこれくらにして、まあそういう制度があるんだから仕方ない、民度の低い社会をどうやって損しないで生き抜くかを考えるしかないわけです。いくらクソ制度だからといって、自分だけが利用しなかったら一番損してるのは自分になっちゃいますよね。
米や肉など、生活に使えそうなものをひとつひとつ注文しても別にいいんですが、僕は考えた結果、これにしました。
リンガーハットの商品券です。寄付額に応じて金券が貰えます。
還元率は相場通りの40%で、それを現金にしようとすると金券ショップだと80%くらい、オークションサイトだと90~95%くらいで売ることができます。
いろいろ複数に分けて注文すると申請などもめんどくさくなりますし、1箇所にまとめて寄付してそれを現金化するのがもっとも効率がいいかと思います。
年収1000万円くらいまでなら、そこまで大きな金額になるわけでもないですけど、収入の多い貴族の皆さんにはオススメしておきます。
来年はこんなめんどい作業しなくて済むといいですね、それでは。
もらえるだけありがたいと思わないと庶民じゃないよ。お上はわれらにカニを下さった。ありがたい、ありがたい。こうですよ?言い分はあるでしょうけどふるさと納税をして得をしているのは納税者ばかりではなく、むしろ地方の皆さんです。Win-Winの関係とはこういうことを言うんでしょうね。
センスの悪いバラマキ政策をもありがたいと思わないといけないのであれば、僕は庶民でなくていいですね。
国から撒かれている補助金の原資が僕たちの税金であるという点に目をつぶれば、どのようなバラマキ政策も多かれ少なかれ「win-win」ですね。馬鹿馬鹿しい。
ふるさと納税で得したことを得意げに話す人って、スーパーで賞味期限の長い牛乳を買う貧乏人に似てる気がする。自分さえ良ければ良い、って感じ。うちの地元は住民は多いけど特産品ゼロだから税金がどんどん外に出てるんだろうなと容易に想像できる。ふるさと納税で得をした分、今住んでる地域の財源が減ることに何の疑問も持たないのかなぁ、バカばかりだなぁ
同感です。
僕の周りでも、「ふるさと納税は地域も潤うし寄付する人も得するしメリットしかない素晴らしい制度!」
などと言ってる人が散見されました。
マクロに物事を見る習慣って一般の人にはあまりないんでしょうねぇ。