こんにちは、みなさんの直感に反するようなことをわざわざ言語化し、株クラスタをざわつかせる担当のロコハウスです。
ただ最近は、真面目に株についてデータを用いて話すこと等も「ロジハラ」になったりするようなので、いよいよTwitter上では株の話とかはしたくないなという気分になってますが、このブログくらいは個人の意見を発信できる場として残していきたいなと思ってます。まあ、それすら嫌になったらいつでも閉鎖すればいいという気楽さはありますし。
10年くらい前は、インターネットにはもっと開かれた可能性があると信じていたし、集合知が人類をもっと賢くするんだみたいなユートピアが訪れる予感に満ちていたはずなのですが、実際にはTwitterは単に声がでかいやつが勝つだけのポストトゥルースの時代を体現する場と化し、見ているだけで疲れるコンテンツになってしまいました。
人類にSNSは早すぎたのかな、みたいなことを考えているとまた少しおじさんになった気分ですね。
さて、本日のテーマは「為替リスク」についてです。ロコハウスでは幾度となく取り上げている話なんですが、正面から為替リスクというテーマを取り上げていたのはことは少なかったので、書いてみようと思っています。
為替リスクとは何か?
為替リスクについて語るには、為替リスクとは何なのかをまずは考えないといけません。
一般的に、日本人が外国株を買うのは日本株を買うよりもリスクが高いとされます。
なぜかというと、その株価が変動するリスクのほかにも、日本円と外貨の為替変動のリスクも一緒にとることになるからですね。
でも、よく考えてみましょう。
ということは、アメリカ人にとっての日本株は外国株ですから、彼らにとっては日本株はリスクが高く、アメリカ株はリスクが低いということになるのでしょうか?
為替リスクという観点でいえば、答えはYesになります。
でも、同じものを買ってるはずなのに、ある人にとってはリスクが高くて、ある人にとってはリスクが低いというのは一体どういうことでしょう?
これを正当化するためによく使われるロジックが、「その人が買い物をするときの通貨の違い」ですが、これっておかしいと思いませんか?
だって、自分の資産額が自国通貨建で一定だったとしても、自国内のモノの値段が変わってしまえば意味がないですよね?円の価値自体が棄損されてしまえば外貨との交換レートも悪くなり、外貨からエネルギー資源などを仕入れるためのコストもあがった結果、モノの値段も上がることになります。
為替リスクから通貨リスクへ
結論から言ってしまうと、「為替リスク」というものを心配することにはまったく意味がありません。
為替リスクというのは自国通貨からみたときに、その資産がどれだけ変動幅が大きいか(不確実性が高いか)という概念ですが、実際には自国通貨自体の価値が毎日揺れ動いてるからです。
電車に乗っている人たちは自分たちは止まっているような気がしていますが外からみていると動いて見える、為替リスクというのはそれだけの話で、自分たちにとっては「止まっている」電車にも一定の事故率があるのと同様に、何かの通貨を持っていることの真の意味でのリスクはゼロにはできません。
実際に僕たちが心配すべきなのは、為替リスクではなく、持っている通貨の価値が下落するリスク、通貨リスクです。
このようにリスクを再定義すると、一般的な外貨にまったく投資をしていないような日本人は資産の100%を日本円に投資しているようなもの(キャッシュもまた1つのアセットクラス)ですから、むしろ非常に大きなリスクをとっていることがわかります。
正しいリスク管理方法は、信用のある通貨(例えば基軸通貨であるドル)を中心とした分散投資です。リスクにもっとも強い状態というのは、自国通貨建で資産を100%を保有している状態ではなくて、いろいろな通貨を少しずつ持っている状態である、ということ(もちろんアセットクラス自体も分散したほうがいい)ですね。
お金持ちの人が資産をいろいろな通貨に分散させて保有するみたいな話はよくあるはずなのに、自分のことになるとわからなくなる人が多いみたいなんですよね。
日本人が外貨建の資産を買うときにわざわざ為替ヘッジをかけたりするのも、あまりオススメはしません。定期的な収入を円で得ている人がほとんどでしょうし、むしろ外貨を生むアセットを買うことは良いリスク分散となります。
国際分散投資は間接的にいろいろな国のアセットを買うことができるので、こうした通貨リスクを減らすためにも有効な投資方法といえますね。
時々こちらのブログで勉強させていただいてます。おっしゃるとおり!為替リスクを金融資産のリスクと混ぜてはいけませんよね。私は主にInteractive Brokersで運用してますが、ドル建てと円建ての両方で資産を把握するようにしてます。