最もNISA向けの米株銘柄とは?




NISAに適した銘柄の条件とは

ある銘柄がNISAに適しているというためには、2つの条件があります。

  1. 標準偏差(リスク)が低い

  2. 配当金が低く、株価自体の伸びが良い

それぞれ解説していきましょう。

1. 標準偏差が低い銘柄

まず1についてですが、NISAの隠れたデメリットとして、他の口座との損益通算ができない点があげらます。

他の口座で利益が出ていてNISA口座では損失が出てしまっている場合、損失分を通算して利益から控除できないため、トータルでは損をしているのに税金を払わなければならない、という可能性がありえるわけです。

これを避けるためには、株価の分散が低く、大きな損失がでにくいディフェンシブな銘柄が望ましいです。また、相当の自信がないかぎりは個別株もNGです。理由は、単に分散投資されているETFよりも分散が高く、大きな損失が出る確率が高いからです。

2. リターンに占める配当金の割合が低く、株価自体の伸びが良い銘柄

実は僕がNISAについて調べていた頃、Web上でも誤った記述を散見しました。

NISAは配当金も無税になるため、高配当ETFなどの採用を推奨している方もいますが、高配当ETFはNISAに向きません。

NISAの枠は毎年120万円までですが、1年目に投資した株が仮に150万円の時価に成長した(配当はなし)場合、このまま2年目はこの150万円の株をそのまま無税で運用することができます。一方、120万円の枠が140万円に成長し、10万円の配当が支払われた場合について考えてみると、利益分が最終的に無税になるのはどちらも一緒ですが、配当分だけ持ち越しができる枠が減っています。

小さい話にみえるかもしれませんが、これが5年複利で効いてくるので、NISA銘柄を考えるときは考慮すべき事項だと思います。

当サイトおすすめのNISA向けETFはVHT

というわけで、1、2を総合的に考えた僕の結論としては、最もNISAに向いている銘柄はVHTです。次点では配当比率が少し上がりますが、VDCです。

この2銘柄はシーゲル教授の研究結果はもちろん、過去10年の推移でも継続して成果をあげている、鉄板のディフェンシブETFです。国際的な分散投資を重視したい方であれば、VTなども候補にあがるかと思いますが、VWOなどリスクが高めのETFはできるだけ避けるのが無難でしょう。

主要ETFの過去データを振り返る

2017年8月7日
VBRなどの小型バリュー株もリターンは期待できますが、リスクの高さから推奨しません。

レバレッジETFは高リスクだが実質的にNISA枠を増やす

また、番外編としてレバレッジETFを運用するという考え方もあります。

低リスク銘柄という観点からは完全にはずれてしまいますが、レバレッジETFにはNISA枠を実質的に拡大できるというメリットが大きいため、考える価値があると思っています。

レバレッジETFを考えるという記事でも紹介したSPXLという商品であれば、NISAの対象銘柄にも選ばれており、ほとんどギャンブルにはなるものの期待値は大きいです。当ブログでの推薦銘柄はあくまでVHTとさせていただきますが、SPXLはNISA銘柄としても個人的にも注目している面白い商品です。レバレッジETFの記事では、レバレッジETFが長期投資に向かないというのが本当かどうか考察しているので、そちらも合わせて御覧ください。

レバレッジETFを考える

2017年7月11日

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30代元システムエンジニア。 日本では経営学、アメリカで経済学や統計学などのビジネスを専攻。 趣味は株式投資からゲーム、音楽まで幅広く。 リンクフリーです、ご自由にどうぞ。