昨日はバフェット太郎さんににリンクをいただきましてずいぶんとPVが伸びました。
この場を借りてお礼申し上げます。
さて、今日は米株村で流行ってる自己責任論みたいなものに水をぶっかけるというテーマでいこうかと思います。
自己責任論は正しいか?
最近よくみる自己責任論みたいなやつで、
「株式投資は金持ちだけのものじゃない、貧乏人でも積立投資をすれば金持ちになれるから貧乏になっても自己責任だ!」
ていう話をよく見ます。
まあ、言ってることはわかります。
日本はこの先、さらなる高齢化で財政は圧迫される一方なんですから、普通に考えて貧者への再配分に使える原資には限界があるわけです。
僕は新自由主義者ですので政府の役割というのは小さくしていくべきだと思ってますし、再配分で全員ハッピーみたいな世の中は現実的に難しいと思います。
だから、政治家が「ある程度は自己責任でがんばってもらわないといけない」的な話をするのはむしろ正直であると評価しますよ。
つみたてNISA制度などを通じて貧しい人に投資を促して少しでもお金を増やしてもらおうと啓蒙するのも妥当でしょう。
ブロガーが「貧乏なのは自己責任だぞ!」と煽ったりするのもこの意味では評価できます。
でもさ、こうして経済的に豊かな人が、自分たちに有利なだけの資本主義とかいうルールを正当化するのってものすごく欺瞞的だと思いません?
株式投資で有利なのは誰か?
僕も以前、少額からでも株式投資はできるんだからやったほうがいいよ!って記事を書いたりしてます。
でも、やっぱり株はお金を持ってる人ほど得するんですよね。
そして、そのお金が手に入るかどうかはその人の遺伝的な能力とか、生育環境などに大きく影響するんですよ。
こんなこというと、
「アルバイトでコツコツお金を溜めて投資に回せばそれでも億れる!」
みたいな反論も聞こえてきそうですが、アルバイトで稼いだ金を投資に回さないといけない時点ですごいハンデじゃね?って話です。
デブは怠惰であるは本当か?
これはアメリカの統計ですが、ダイエットの成功率はおよそ5%というデータがあります。
日本人はもう少し成功しているとかはあるかもしれませんが、それは置いといてこのデータを前提に考えてみましょう。
つまり95%の人は、一度デブったらデブのまま人生を過ごすんですね。
さて、デブはできれば痩せたいと思っているとして、このことから論理的に言えることはなにか。
デブであれば、その人は上位5%の意志力ではない、ということだけです。
もちろん、意識がやたら高い上位5%のデブはダイエットに成功するわけですが、もともと痩せてた人はほとんど体質的に痩せてるわけですよ。
その人が下位95%であることを理由に、怠惰であると批判するのは正しいでしょうか?
橘玲さんの「言ってはいけない」によれば、一卵性双生児における体重の相関係数は0.8で、非常に強い相関があります。
これをもって、デブを怠惰であると批判するのはただの差別ですよ。
医者がデブに警告したりするのはいいと思いますけどね。
金持ちもまた遺伝する
金持ちであるかどうかというのは、もっと不公平なわけです。
だって、知能とかもすべて遺伝する上に、相続という制度すらあるんですから。
そういう人がもし仮に貧乏な条件の元に生まれていたら上位数%の意志力がなければ貧乏なままだっただろうに、「貧乏なやつは努力が足りないからだ」みたいなことを大上段から言うのってどうかと思うんですよね。
共産主義が崩壊した世界に生まれた僕たちは、今のところ資本主義にコミットして生きるしかないんだろうからこのゲームで勝たないといけないわけですが、なんかたまたまその世界で勝利した人たちが「株式投資最高!貧乏なやつは自己責任!」みたいなこと言ってるのみると、ちょっと気持ち悪いなあと思ってしまうわけです。
大体、性格的にリベラルな人は自分の成功を「運がよかった」と感じるから所得再分配を志向するし、保守的な人は「実力」だと思うから所得はすべて自分のものだと考えるんですね。
僕は圧倒的に人生は運ゲー派なのでこういう言説になってしまうのですが、みなさんはどちらでしょうか。
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