僕は25歳から27歳までの間、アメリカで留学していました。
つい先日、アメリカ時代の友人が帰国するということで久しぶりにいろんな人に会ってきました。
友人たちの話を聞いていて、あらためて思ったことがあるので書いていきます。
資本主義社会の競争で成功するにはどうすればいいか、という話です。
観光学を専攻していた友人がITエンジニアになった話
A君は僕がアメリカで出会った日本人の友人です。
彼は英語は僕よりも上手でしたが、学業の成績はあまりよくなかったんです。
当時の彼は観光学を専攻していましたが、まだ将来に何をするかも決め兼ねている様子でした。
でもそんな彼が、先日会ったときにはITエンジニアになっており、外資系の会社で働いていたんです。
何をしていたのかを聞いてみると、カナダのコーディング・ブートキャンプ(プログラミングを学ぶ短期学習プログラム)に参加して基本のプログラミングスキルを習得し、その後、日本で就職してオーストラリア人社長の元で鍛えられたという話でした。
年収の話にもなりましたが、彼の年収は平均的な日本の新卒給与よりも全然高いです。
なぜIT初心者の彼が成功できたのか?
IT業界は、賢いエンジニアたちがしのぎを削る業界です。
数ヶ月のブートキャンプを終えて帰国したのが唯一のプログラミング経験であり、彼のITスキルはそんなに高いものでないはずです。
何が彼を成功させたのでしょうか?
世の中には、英語を喋れる人なんていうのはいくらでもいるし、優秀なエンジニアというのもいくらでもいます。
でも、これが英語を喋れる優秀なエンジニアとなると途端に数が減るのです。
例えば、英語が得意な人が全体の20%、優秀なエンジニアが全体の20%だと仮定して、それぞれに相関がないとすると、英語が喋れる優秀なエンジニアは全体の4%しか存在しないことになります。
彼の場合、彼よりもITスキルの高いエンジニアは大量にいますが、おそらく彼の就職先である外資系の会社では英語力が必須要件となるため、その条件をクリアした上で優秀なエンジニアの数が少なかったのではないでしょうか。
複数の異なるスキルが必要になる領域を狙う
なんかこのブログでする話って、「限界効用が逓減する」とかそんな話が多くてまたかよと思われるかもしれませんが、特定のスキルを習得するためのコストもスキルが高度になるに従って逓増すると思うんですよね。(RPGゲームでレベルが上がるごとに次のレベルまでの必要経験値が増えることを思い出そう。)
例えば、僕のTOEICのスコアは895点なのですが、990点(満点)までは点数の印象以上に差を感じます。
それに比べて、TOEIC600点の人が700点を取れるようになるのはそんなに難しいことではありません。
すでにミスが少ない人のミスを減らすのは大変ですが、まだミスが多い人は少し学ぶだけでたくさんミスを減らすことができるからです。
もちろん、1つのスキルを極めて専門性を売りにするというのもそれはそれで素晴らしいことですが、この生き方は相当もともとの能力に恵まれている人じゃないと無理です。
それならば何かの分野でトップ10%に入るよりも、2つの分野が交わる戦場において、両方の分野で上位30%以内に入るほうが楽じゃないか?というのが僕の提案です。
英語やITのスキルというのはこの掛け算をするための要素として優秀です。
グローバル社会、IT社会において、どの業界でも必ず一定の需要がありますから。
IT、英語、財務
昔、大前研一さんの本を読んだことがありました。
正直、内容を全部覚えているわけじゃないんですが、大前研一さんの主張するフレーズでやたらと頭に残っているものがあります。
それは、
「IT、財務、英語を勉強しなさい。」です。
知らぬうちにこの言葉に影響されていたのか、たまたまだったのかはわかりませんが、僕はこの3つの勉強には比較的労力を割いてきました。
元々エンジニアでアメリカに2年住んでましたし、向こうでもビジネスを専攻してAccounting(会計学)の授業を取っていました。
少し前に売れてた本で、「統計学は最強の学問である」という本がありましたが、個人的には統計学も同じくらい汎用的な価値のある学問だと思います。
僕の能力はどれもその分野のトップクラスとは言い難いものがありますが、例えばこのブログにおいても経済学、統計学はもちろん、海外の情報を入手するのにも英語力を使っていますし、過去のヒストリカルデータの一括データ取得やプログラミングによる様々なシミュレーション、やワードプレスの調整などにはITスキルが活用されています。
スティーブ・ジョブズはそのあまりにも有名なスピーチにて、
「未来を予測することは困難だが、振り返ってみたときにそれまで学んできたそれぞれの点が線となってみえるものだ。」
という発言をしています。
いろんなことにチャレンジをすることは常に良いことですし、他の能力と合わせたときのコンボボーナスが高そうな能力を選ぶとさらにお得です。
若い人でどのような勉強をするのが良いか迷っている人にとって、大前さんの言う「IT、英語、財務」はひとつの道標になるのではないでしょうか。
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