分散投資について順番に学んでいきましょう。
分散投資についてのただしい理解は、株式投資において重要なことのうち、半分くらいを占めるのではないかと思っています。
今日は初級編ですので、基本的な内容から解説していきます。
分散投資とは何か?
分散投資という言葉自体は、広く知られているのでなんとなく知っているという方も多いのではないでしょうか?
その名の通り、投資先を分散させることによって、リスクを減らす投資手法です。
例えば、もしあなたのお財布1つに10万円をいれていたら、盗まれたり落としたりした時に全額なくなってしまいますが、5万円ずつを複数の財布に分けて管理しておけば、どちらか一方が盗まれたときも半分の被害で済みますね。
分散投資がリスクを減らす原理というのは、これと同じです。
資産を1つの企業に集中投資していた場合、その企業が倒産してしまった場合にあなたの資産もなくなってしまいますが、複数の企業に分散投資していれば、リスクを分散しつつも企業の経済成長の恩恵を受けることができます。
投資先の分散にはいくつかのレベルがあります。
- 株式、債券、金など複数のアセットクラスへの分散
- 先進国、新興国などの単位または日本、アメリカなどの国単位での分散
- トヨタ、日立、コマツなど各企業単位での分散
このように、複数のレベルで分散をさせることによってより高い分散の効果があることが知られています。
株式というのはどんな銘柄であっても、多かれ少なかれ似たような動きをするものですが、債券や金など別の動きをする資産を組み合わせることによって分散効果が得られます。
先進国や新興国単位でもある程度の相関が見られるので、いろんな地域の株を保有しておくことでより安全性が高まる、ということですね。
分散投資の効果
近年は世界のグローバル化により、世界の株式というのはかなり相関性が高い(同じような動きをする)ことが知られており、分散投資のメリットは薄れてきていると言われていますが、依然として国単位でのリスクというのは存在しますし、分散投資が完全に意味を失うことはないでしょう。
例えば、国単位での分散をしたときと、国内の株のみで分散をしたときのリスクの差はおおよそ次のようになります。
このグラフを見ると、大体40銘柄に分散投資をしたあたりからはリスクにそこまで差がなくなってくることがわかると思います。
僕もExcelで試しに去年の株式のヒストリカルデータから何銘柄を選べばリスクが収束するのかをプログラミングを使って実験しましたが、最低でも40銘柄くらいは必要だという結論になりました。
10~20銘柄程度のポートフォリオを組んでいる方もいますが、それでは分散投資という意味では不十分です。
実際には40銘柄を選んで取引をするのは時間もコストもかかるので、ETF(上場投資信託)を使って投資するのがオススメです。
ほとんどのETFは40銘柄以上に分散投資がなされており、1つのETFを保有するだけでも良い分散効果が得られるように設計されています。
また通常の投資信託よりも手数料が安いものが多く、市場で株と同じように売買できるので取引がしやすいというメリットがあります。
正直、ETFがこれだけ安い手数料で買えるアメリカ株投資において、わざわざ個別株を選択するというのはほとんど趣味の領域といえますね。
時間の分散について
投資情報サイトによっては、投資先の分散のほかにも、時間を分散させることでリスクを下げることができると解説している本やウェブサイトもありますが、これについては誤解を招きやすい内容であるためここで解説はしません。
少し上級者向けですが、もし興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
次の記事では、より深く分散投資について掘り下げていきたいと思います。
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