台湾旅行記 4日目




台湾旅行記 3日目

2018年7月16日

4日目。

朝起きると両腕が痛い。

2日目のドーナツボートの呪いがまだ残っているようだ。

朝はビュッフェ形式。

昨日のリゾートホテルに比べると安いホテルに泊まったため、どうしてもクオリティが落ちる。

こんなときは必要最小限のものを腹に詰め込んで、次の食事に期待するに限る。

食事においても、リターンの低いアセットの割合は小さなところに均衡点が存在するはずだ。

そして今日も茶園めぐりがはじまる。

しかし僕には、どのお茶を飲んでも同じにしか思えない。

女性たちが「これ美味しい!」など盛り上がってる一方で、科学的探求心を重要視する僕ら男性陣はブラインドテストによる飲み比べを始める。

お互い、目隠しをした状態でどれか1つを飲ませて、それがどれだったかあてるテストをしてみたがまったく当たらない。

そもそも飲んでいる方もさっぱりわからないなと思いながら答えを指定してるのだから当たるはずがないのだ。

談笑しながら楽しく飲み比べを続ける女性たちを尻目に、僕たちがとった行動は、

外のハンモックで横になることだった。

また無駄に合理性を発揮してしまった。

同じ味のするお茶を飲み比べる大会が終わると、また長時間の移動がはじまった。

しかも台北までの指定席が運悪く売り切れていたようで、立ち乗りをするハメに。

車両と車両のあいだ、およそ人が滞在する目的では設計されていないと思われる場所で3時間くらいの時間を潰さないといけない。

ワード人狼というゲームをはじめてみんなで盛り上がるも、盛り上がりすぎて静かにしろと台湾人に怒られる。

それほど馬鹿騒ぎをしていたわけでもないが、電車で喋っていて怒られるのはこの旅で2度目なので、台湾の電車は日本のそれよりも静かなのだと思う。

礼儀の良い人たちの国である。

会話自体があまりよくないのだなと悟った僕たちは、各自読書をして時間をつぶすことにした。

僕はこの時間を利用して、以前から少しずつ読みかけていたサピエンス全史の前巻を読み終えた。

以前このサイトでも紹介したことのあるジャレドダイアモンドの銃・病原菌・鉄と同じような歴史解説書で、どこかで聞いたことのあるような話も多かったのだが、いくつか印象的だったエピソードを紹介しようと思う。

まず一つ目は、狩猟採集社会から農耕社会への移行によって、人は平均的には不幸せになったという話。

狩猟や採集によってとれる食べ物は多様性に満ちていて、人類はなにも困窮していたわけではなかっという。

むしろ農耕社会に移行することによって、麦などを貯蔵し、格差が大きくなり、食糧の総生産量は増加したものの人口が爆発的に増えはじめ、疫病や飢饉によって死者の数も増えた。

総合的には豊かになったようにみえるが、個人レベルの幸福量で考えれば何も豊かになっていないどころか不幸な人の数が圧倒的に増えたという。

これはそのまま現代社会のアナロジーとして捉えることができるし、技術革新などによっていくら国民全体のGDPが増えたところで1人あたりGDPが低ければその国民は貧しい生活を強いられることと同じである。

もう1つ、あらゆる文化は矛盾を内包していて、それゆえに文化は固定的ではなく更新され続ける運命にあるという話。

中世のヨーロッパで言えばそれは宗教と騎士道の対立だったが、近代から現代でいえば自由主義と共産主義、市場主義と社会主義、個人主義に共同体主義。

あらゆる文化はこのような平衡状態の上に存在していて、いつも危ういバランスにあるとも言える。

こうして更新され続ける文化だが、マクロな視点でみれば統一に向かっているという話は普遍的な思想が好きな僕としてもエキサイティングに楽しめた。

まぁ、興味がある人はジャレドなんかも合わせて読んでもらえるといいんじゃないと思う。

話がそれた。

台北に着くとすでに19:00過ぎ。

明日で帰国するので台北で遊んでいる時間はあまりなさそうだ。

しかし、台北の景観は東京にそっくりだ。

それでいてタクシーは初乗りが70台湾ドル前後と安い(270円程度)。

ホテルは台北駅のすぐ目の前で素敵な場所だった。

フロントの人は、英語はもちろん日本語も堪能でどちらでも問題なく会話ができる。

このブログを書くのに使ったコンピュータラウンジなどもあった。

夕食は昨日に続いて火鍋を食べたのだが、とんでもなく美味しかったので長めに語らせてほしい。

台北市内の圍爐(ウェイルー)というお店。

とりあえず人数毎にある程度決められたベースの鍋セットを注文する。

今日は先に旅仲間が1人先に帰ったので3人で基本の鍋ベースセットが650台湾ドルだった(2500円程度)。

3人でこの価格なら十分に安いし、東京のしゃぶしゃぶなら1人あたりでこの値段くらいが普通だと思う。

このお店の面白いところはこの大量の調味料と薬味を好きな比率でミックスしてつけだれを作るところだ。

僕はお店の人の配合を参考にして適当につくったのだが死ぬほど美味しかった。

世界には自分の知らない美味しいものがまだまだたくさん隠れていることを知って、なんだか救われた気分。

僕はもともとポン酢が好きなのだが、ポン酢をさらに美味しくしたようなソースだった。

友人が体調を崩してしまったので、短時間だけ台北の夜市を見て回ることに。

高尾や墾丁の夜市も地方のお祭りのような味があってよかったが、台北の夜市はどちらかというと原宿のような雰囲気で、まったく別世界だった。

僕はやっぱり都会が好きだな、と思う。

多様性に満ちていて、あらゆる種類の人間を受け入れてくれるような懐の広さを感じるし、人々がお互いに良くも悪くも無関心で、それぞれが自由に生きているような雰囲気が好きだ。

そんなわけで、いま足湯マッサージをされながらこの記事を書いている。

ちょっと長くなりすぎたかな。

残念ながら明日でこの旅も終わりだ。

それではおやすみなさい。

台湾旅行記 最終日

2018年7月18日

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30代元システムエンジニア。 日本では経営学、アメリカで経済学や統計学などのビジネスを専攻。 趣味は株式投資からゲーム、音楽まで幅広く。 リンクフリーです、ご自由にどうぞ。