◯◯の株は、いまが下がったばかりだから買い時!みたいな話が好きな、論理的な思考が苦手な人たち、よくいますよね。
長期投資家の僕たちは、このような言説を徹頭徹尾スルーしていきましょう。
そもそも、こういった思考をすること自体が、長期投資についての無知の現れです。
仮に株というものが、下がった直後は上がる傾向があり、下落を待ったほうが得をするとすれば、長期投資をすること自体が無意味です。この場合は、長期保有している株が上昇したときには株を一旦売って、また下落したときに買えばいいことになります。そういう人は、なぜ買うときにだけ安く買おうとして、一旦ポジションをとった後はホールドし続けるのでしょうか?長期投資と下落買い待ちは論理的に両立しない概念なのです。
投資家のセンチメントというのは面白いもので、1000ドルと1500ドルの儲けの差というのは軽視するくせに、0ドルと-500ドルの損失の差にはやたらと敏感になります。
絶対に損はしたくないので、「少し前に投資していたかもしれない自分」と比較して、得するタイミングで投資をすることによって、心の安寧を得ているわけです。笑
確かに、株価が下落したタイミングで買いポジションを取るようにすれば、「少し前に投資していたかもしれない自分」に比べて常勝できるので気分がいいかもしれません。でもこの人は、株価が下落するのを待っている間、「少し前に投資していたかもしれない自分」にずっと負けているのです。
長期投資は、以下のような前提に基づいています。
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株価は平均的に上昇する(歴史的に明らか)。
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バイ&ホールド以上に「継続的に」成果をあげている戦略はそもそも存在しないので、株価の細かい動きを予想することは不可能である(ウォール街のランダム・ウォーカーを参照)。
そして、長期投資家の利益というのは、株の保有期間を伸ばせば伸ばすほど大きくなります。であれば、買うタイミングは常に「今すぐ」が論理的な解になるはずです。
とはいえ、株をはじめたばかりの初心者の方にとって、大金をいきなり全て株に変えるのは勇気のいることかもしれません。そういう方には、ドルコスト平均法などで徐々に株を買い増ししていく手法をオススメします。
また、買う直前のチャートを眺めて判断する意味はありませんが、例えば買う銘柄のPERが低いときに買う、というようなルールであれば一定の成果が見込まれます。歴史的にも、PERの低い株は高い株よりも利益をもたらす確率が高いからです。
ただし、PERが低くなるまでは現金として持っておいて、PERが下がったタイミングで購入に踏み切る、というような戦略は、単純なバイ&ホールドに負けます。株の保有期間を著しく下げるからです。購入する銘柄選びにPERは有効になり得ますが、下がるまでは現金で持ってる、というようなルールは無意味なのでやめましょう。
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