ブラックロック TLT とは
iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)は、残存期間20年超の米国財務省証券で構成される指数を指標としたETFです。
資産構成
資産構成は、20年超の米国債が99%を占めており、信用格付けもAAAです。
経費率
純経費率は0.15%です。悪くないと思います。
TLTとEDVの比較
バンガードからの類似ETFとしてはEDVというものが出ていますが、こちらはブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックスを指標としており、少々性質が異なります。
次の図は2008年からの両ETFの比較で、赤がTLT、黒がEDVになります。
最終的なリターンではEDVがリードしていますが、気になるのは2009年からの最大ドローダウンの大きさです。
下方リスクの比較でも、EDVの偏差はTLTの1.5倍程度の数値となっており、EDVのほうが全体的にハイリスク・ハイリターンであると整理することができるでしょう。
僕が債券を取り入れる時はおおよそ、ある程度のリターンを期待しながらも株式の値動きをヘッジすることが目的なので、どちらかというと安定しているTLTが好きです。
当サイトとしては珍しく、バンガードよりもブラックロック推しですね。笑
また大きな問題として、EDVは流動性が低く、大きな資金を投入するには不安です。
とはいえ、リターンはEDVのほうがよく経費率も低いため、少額であれば選択肢として考えてもいいでしょう。
過去の実績
TLTの設定日は2002/7/22で、設定来のリターン約6.7%と優秀な成績です。
とはいえ、長期金利がこの期間中低下を続けたことも一つの要因でしょう。
年 | TLT |
---|---|
2012 | 2.63% |
2013 | -13.37% |
2014 | 27.30% |
2015 | -1.79% |
2016 | 1.18% |
過去5年年率 | 3.13% |
債券というとローリスク・ローリターンのディフェンシブなアセットというイメージのある方もいらっしゃると思いますが、長期国債に投資をするETFというのは基本的に、ミドルリスク・ミドルリターンくらいな商品です。
残存期間の長い国債しか保有していないので、長期金利やインフレなどに非常に大きく影響され、時には株式以上に大きく価格が上下することもあります。
当サイトのTLT評価
総合評価
期待リターン | ★★☆☆☆ |
---|---|
リスクの低さ | ★★★☆☆ |
経費コスト | ★★★★☆ |
将来予測 | ★★★☆☆ |
おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
評価理由
長期国債は単体ではあまり評価の高い金融商品ではありませんが、株式と負の相関を持つため合わせて採用することで良いポートフォリオを作ることができます。
当サイトの推奨ポートフォリオでは不採用ですが、リスクの低いポートフォリオを作りたい方にはオススメのETFです。
債券という金融商品は、長期的には株式よりも利回りが低く、またインフレに対して脆弱な金融商品です。
でも、実はこの長期国債ETFと株式のETFというのは相性が抜群で、僕も最近は低リスク派の方や、投資期間が十分に取れない人にとってはかなり良い選択肢ではないかなと思っています。
株式と長期国債の負の相関性は、かなり長い期間でも安定して確認されてきており、例えばS&Pを50%、TLTを50%のポートフォリオではリーマンショックなどにおいてもTLTが良いクッションの役割を果たしてきました。
BNDなどの総合債券ファンドとは異なり、TLTは単独での値動きが大きくなっていますが、その分積極的に株式と逆の動きをして反動を吸収してくれます。
もし、ポートフォリオ全体のリスクを下げたいけれどTLTにあまり大きな比率を割いて、リターンを下げたくないという方にはTMFというレバレッジETFを使う選択肢もあります。
こちらを利用する場合は、ポートフォリオの10-20%程度を割り振るだけでも十分なヘッジをかけることができるでしょう。
ただし、レバレッジETFは変動幅が大きいためバランスが壊れやすく、頻繁なリバランスが必要になるなどの欠点もありますし、初心者の方にはやはりこのTLTをオススメしたいと思っています。
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