なぜ日本人の作文能力は低いのか?




ブロガーとしてもっとも重要なのは文才でしょう。

美しくユーモアのある文章を書くための能力はもちろん、論理的に物事を記述する能力も必要です。

僕も残念ながらあまり文才がある方ではないので、美しい文章を書ける人が羨ましいなと思うのですが、そもそも僕たちってまともな文章を書くための訓練を受けてませんよね?

小学校とか中学校とかの頃は、作文とか読書感想文というものがありましたが、その後から一気に文章を書く機会がなくなってる気がするんですよね。

作文とか読書感想文の典型的な様式では、

「映画を見にいった。たくさん人がいた。とても楽しかった。」

という感じの、事実→感想という流れが典型で、小学生ならこれでもしょうがないですが、このまま大人になるのってけっこうヤバいんじゃないかと思うわけです。

アメリカでの経験

僕はアメリカの大学にいたことがあるのですが、そのときにはEnglish 101というクラスを取ることが必須でした。

この授業では他のネイティブの生徒に混じってひたすらエッセイを書かされていたのですが、最初にエッセイを書くためのフレームワーク(枠組み)を最初に教わります。

このフレームワークにおいては、最初のパラグラフはツカミ(hook)といくつかの論旨(Thesis)より構成され、その後の各パラグラフでそれぞれのThesisの根拠を明確にし、最後のパラグラフでまとめるという流れを強制されるため、好きなように書けないのが少し不自由だなと感じる反面、確実にある一定のクオリティが保証された文章を書くことができるんですよね。

例えば、論旨は最後の最後までボカしておいて、一番最後に自分の本当の主張を明らかにするというような書き方はオシャレではありますけど、読み手としてはわかりにくいし技量のない人がやると何言ってるかわからなくなります。

僕がブログを書く時は厳密にこのときに習ったフレームワーク通りに書いてるわけではありませんけど、基本的な小論文の書き方を知っているというのはそれなりのアドバンテージになってる気もしてます。

言語と文学

日本の国語の授業は、なぜあそこまで文学的な作品を読むということにフォーカスされているのでしょうか?

社会学者の宮台真司によれば、戦後のサンフランシスコ講和条約が締結されるまでの間、GHQの指導により作られた文部省仮検定教科書というものが存在し、その段階では「言語」と「文学」という2つの教科書に分かれていたといいます。

「言語」の教科書は今でいうメディアリテラシー教育で、昨日の記事で話題にしたような批判的思考も扱われていました。

米国株信仰を批判的に考える&シーゲル批判への返答

2017年11月20日

しかし、1948年のソビエトの核実験成功、1949年中華人民共和国の成立、そして翌々年から朝鮮戦争が始まったことで、アメリカとしては日本を「極東の不沈空母」にする必要がでてきたため、「言語」を廃止し、日本人にモノを疑う能力を植え付けることをやめ、「文学」だけが残って「国語」と呼ばれるようになったということなんですね。

過度に陰謀論のように聞こえる話でもありますが、今の教科書の文学への偏りっぷりを考えるとわからない話でもないと思います。

本当に才能がある人に教育はいらない

これは僕の観察ですが、本当に文才がある人は小学生の頃から良い文章を書いていました。

僕の友人で小学校の頃から言語的センスがずば抜けていた人がいて、小学生の頃から作文で知的な文章を書いてましたが、ああいう人にはフレームワークみたいなものは必要ないですよね。

頭のいい人って、教えなくても勝手に本を自分で読んで賢くなりますし、教育で重要なのって下位~中間層の底上げなのかなって思います。

僕はミステリー作家の森博嗣ファンでもあるのですが、森博嗣は某国立大学の助教授として働く傍ら、バイトとして1週間で小説をかきあげ、それから半年後にはすでにデビューしていた超天才です。

せこせこ何ヶ月もブログを更新している僕なんかとは比べるだけ失礼というような話ですが、こればかりは手持ちのカードで勝負するしかないですから仕方ないですね。

論理的思考力を養うためのおすすめコンテンツ

僕が大学生くらいの頃に読んだ本で、勉強になったなと感じたのは野矢茂樹さんの論理学という本でしょうか。

野矢さんはウィトゲンシュタイン研究者としても有名で、当時かぶれていた僕はそちらでもお世話になりました。笑

あとは、「科学する麻雀」で有名なとつげき東北さんの運営する名言と愚行に関するウィキなども言語を玩具のように使う作法を養うのにおすすめです。

最近読んだ本でよかったのは千葉雅也さんの勉強の哲学ですね。

まあ、あまり理屈っぽい人間になってもしょうがないし幸せにならない気がしますが、興味ある人はどうぞ。

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