バンガード VEA 徹底分析 欧州やアジアの先進国に分散投資ができる低コストETF




バンガード VEAとは

FTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックスへの連動を目指した、カナダ、欧州地域の先進国市場、および太平洋地域の先進国市場への分散投資に最適なETFです。

低コストでインデックスへの追従を実現した、パッシブ投資向けのETFです。

保有上位銘柄

Nestle 1.5%、Samsung Electronics 1.3%、Royal Dutch Shell 1.2%、Novartis 1.1%、Roche Holding 1.0%と続きます。

こうしてみると、スイスの企業が目立ちますね。食品会社のネスレ、製薬バイオ企業のノバルティス、同じく製薬企業のロシュはどれもスイスの企業です。

国別構成比率

日本21.4%、英国15.7%、カナダ7.2%、フランス8.1%、ドイツ7.9%と続きます。日本の世界における経済的な地位は低下傾向にあるとはいえ、日本はVEAのおよそ1/5もの比率を誇ります。

経費率

0.07%と、非常に安価です。低い経費率は優秀なETFの必要条件です。

VEAとEFAの比較

類似ETFとして、ブラックロック社からは、MSCI EAFE インデックスを指標としたEFAがあります。

VEAとEFAの最大の違いは、VEAには韓国が4.6%含まれていますが、EFAでは含まれません。MSCIでは韓国は新興国扱いなんですね。

ティッカー 経費率 組入銘柄数 平均出来高
VEA 0.07% 3,821 6,721,618
EFA 0.33% 934 14,367,004

バンガードは一般的に分散の度合いが強く、経費率が低い代わりに流動性が低い傾向がありますが、このETFでもその傾向があります。

しかし、出来高はVEAも十分ですし、経費率が大差となっているので僕としてはほぼVEA一択ですね。

VEA EFA
2012 18.56% 18.82%
2013 21.83% 21.39%
2014 -5.98% -6.20%
2015 -0.38% -1.00%
2016 2.67% 1.37%
5年年率 9.43% 8.73%

過去5年のリターンをみても、VEAが勝っています。

組み込み銘柄の違いがプラスに振れるかマイナスに振れるかはほとんど運だと思いますけど、経費差は確実にリターンに跳ね返ってきます。

また、より市場の平均に近いほうを買うという意味でも、僕は組込銘柄数の多さからVEAを評価しています。

過去の実績

VEAの設定日は2007年7月20日です。

直近1年は22.44%とアメリカの市場平均以上の伸びをみせていますが、設定来のリターンは1.17%と2008年のリーマンショックの打撃が長引いています。

ここでは、2012年からのデータで、アメリカ(VTI)、北米を除いた先進国(VEA)、新興国(VWO)の各年の騰落率を比較してみます。

VTI VEA VWO
2012 16.45% 18.56% 19.20%
2013 33.45% 21.83% -4.92%
2014 12.54% -5.98% -0.07%
2015 0.36% -0.38% -15.81%
2016 12.83% 2.67% 12.21%
5年年率 15.71% 9.43% 4.53%

 

欧州はリーマンショック後も、ギリシャの経済危機、イギリスのEU離脱騒動など、景気の低迷が続いてきましたが、直近1年は大きく上昇しており、本格的な景気の回復期に入ることが期待されています。

リーマンショック時の最大下落幅(リーマンショック前日の2008/9/14から起算)はおよそ-39%でした。

当サイトのVEA評価

総合評価

期待リターン ★★★☆☆
リスクの低さ ★★☆☆☆
経費コスト ★★★★★
将来予測 ★★★☆☆
おすすめ度 ★★★☆☆

評価理由

欧州は現在も大きな政治的な問題を抱えており、先進国であるから安定したリターンを期待できるという状況ではなくなっていますが、株式のクラスを分散させる意味でもポートフォリオの一部は欧州やアジア先進国に割くべきであると考えています。

当サイトのポートフォリオではVTを採用しているため、VEAは組み込んでいませんが、VWOやVTIと組み合わせて割合を調整することは十分に考えられます。

シーゲル流、日本人向けポートフォリオ

2017年2月20日

現状分析と先進国のこれから

僕がヨーロッパの国々を考えたときは、以下の3つが主な見解となります。

  • 景気循環のサイクル的には、米国よりも期待できる時期に入る
  • EUというシステムの自明性が揺らいでおり、政治的なリスクが大きい
  • 日本と同じように高齢化が著しく、高い経済成長率が持続する可能性は低いと思われる

つまり短期的には少しポジティブ、長期的にはネガティブということなのですが、現時点で僕はVEAよりもVWOの比率が高めのポートフォリオにしています。

景気の動向等を一点読みして集中投資をするのは僕の投資スタイルに反するため、ポートフォリオの一定の割合を割いておいて、後は放置という感じのETFですね。

長期投資をするときには、短期の景気動向よりも長期の経済成長率のほうが重要ですので、僕はどちらかといえばあまり大きな割合をさくべき投資先ではないと考えています。

しかしながら、先進国クラス(米国除く)は時価総額的にみても無視できる規模ではありませんし、国際分散投資を軸にする以上は必ずお世話になるETFになるでしょう(VTでもいいですが)。

国際分散投資について考えてみよう

2017年10月16日

シーゲル教授は、国外(アメリカ以外)に目を向けるべき理由は、そのほうがリターンを見込めるからというわけではなく、リスクを下げるためであると発言しています。

僕たちにとって主な投資先は米国ですので、米国株と相関の低い株式クラスはその補完として常に選択肢になります。

先述したVTI、VWOとのリターン比較をみてもそれぞれのパフォーマンスにはバラツキがあり、ある程度の分散がリスクの低減になることがわかりますね。

ぜひとも採用しておきたいETFです。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

30代元システムエンジニア。 日本では経営学、アメリカで経済学や統計学などのビジネスを専攻。 趣味は株式投資からゲーム、音楽まで幅広く。 リンクフリーです、ご自由にどうぞ。