もう11月ですか。
秋服を買い足そうか迷っているうちにすでにコートが必要な寒さとなり、寒さが大嫌いな僕は四季というものの必要性に疑問を呈し続けています。
毎年僕たちは徐々に老いていくのだし、僕たちにできることはせいぜい、時の流れにともなう心の痛みを株の成長で癒やすことくらいなわけですが、それにしても今年は投資家にとって素晴らしい年になりましたね。
過去1年のS&P500のトータルリターンは16.91%を記録しており、相変わらず好調のアメリカ市場です。
では、今年のS&P500の出来というのは、過去のS&P500の成績と比べるとどれくらいの位置になるのでしょうか?
今年のアメリカ株の偏差値は?
こんなときに便利なのは偏差値という概念です。
下の図は過去のS&P500の年間リターンの頻度をヒストグラムで表したものですが、このように大体正規分布に近い形になります。
厳密にはキレイな正規分布ですとも言えないところはあるのですが、まあおおよその分布を把握するための近似としては十分でしょう。
過去のS&Pの年間トータルリターンは、平均が8.9%、標準偏差が20.0%程度となっています。
この数値を使って、今年のアメリカ株の偏差値を調べてみましょう。
過去のS&P500、偏差値一覧表!
S&P TR | 偏差値 | 上位何%? |
---|---|---|
48.9% | 70 | 2.3% |
46.9% | 69 | 2.9% |
44.9% | 68 | 3.6% |
42.9% | 67 | 4.5% |
40.9% | 66 | 5.5% |
38.9% | 65 | 6.7% |
36.9% | 64 | 8.1% |
34.9% | 63 | 9.7% |
32.9% | 62 | 11.5% |
30.9% | 61 | 13.6% |
28.9% | 60 | 15.9% |
26.9% | 59 | 18.4% |
24.9% | 58 | 21.2% |
22.9% | 57 | 24.2% |
20.9% | 56 | 27.4% |
18.9% | 55 | 30.9% |
16.9% | 54 | 34.5% |
14.9% | 53 | 38.2% |
12.9% | 52 | 42.1% |
10.9% | 51 | 46.0% |
8.9% | 50 | 50.0% |
6.9% | 49 | 54.0% |
4.9% | 48 | 57.9% |
2.9% | 47 | 61.8% |
0.9% | 46 | 65.5% |
-1.1% | 45 | 69.1% |
-3.1% | 44 | 72.6% |
-5.1% | 43 | 75.8% |
-7.1% | 42 | 78.8% |
-9.1% | 41 | 81.6% |
-11.1% | 40 | 84.1% |
-13.1% | 39 | 86.4% |
-15.1% | 38 | 88.5% |
-17.1% | 37 | 90.3% |
-19.1% | 36 | 91.9% |
-21.1% | 35 | 93.3% |
-23.1% | 34 | 94.5% |
-25.1% | 33 | 95.5% |
-27.1% | 32 | 96.4% |
-29.1% | 31 | 97.1% |
-31.1% | 30 | 97.7% |
過去1年のS&Pトータルリターンは16.91%でしたから、インフレ率を加味すると大体偏差値53~54ってとこでしょうか。
米株絶好調!と言われている中でこれだけというのはずいぶん低い数字にも思えませんか?
相場のバラツキというのは予想以上に大きく、今年程度の上振れはよくあることなんですね。
偏差値54以上というのは大体上位34.5%以上に相当しますので、3年に1度はこれ以上のリターンがあるのが米国株である、ということになります。
僕が思うには、アメリカ株は数年前からずっと割高ではないかと懸念されている中でも伸長を続けているため、それがどこまでもあがり続ける米株のイメージに繋がっているのだと思いますね。
単年の上がり幅としては言うほど大したことない、という感じです。
ちなみに、2008年のリーマンショックの年の偏差値は大体26くらいでした。
偏差値26というと、下位0.8%くらいに相当するので、まさに100年に1度の下落幅であるという言葉が適切であることになりますね。
やがてくる暴落に備えて、下落幅のイメージを持っておこう
相場の下落局面というのは、いつか来ることだけはわかっていますが、いつ来るのかはわかりません。
事実として、ここ数年もずっとアメリカ株が加熱しすぎだという声は継続的に叫ばれていますが、アナリストの声とは対照的に株価は上昇を続けています。
トランプ大統領が当選したときは、有識者はみんな株価の暴落を予測していましたが結果は正反対となりました。
適切なリスクのポートフォリオを維持することくらいしか僕たちにできることはありませんが、せめてこの表を眺めながら、どれくらいの下落幅までを想定しておくべきか心の準備をしておくのが良いのではないでしょうか。
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