実はこんなに高い手数料




突然ですけど、投資信託やETFなどの信託報酬の記述方法って、なんだか騙されてる気がしません?

例えば信託報酬が1%、リターンが6%のファンドに100万円預けると1万円を手数料として取られるわけですけど、100万円はもともと自分の資産で預けてるだけですから、彼らの手数料は彼らが稼いだリターンの中から支払われるべきです。

そう考えると、彼らは自分たちが稼いだうちの1/6を手数料と受け取っていることになり、これはおよそ17%に相当します。

もっと厳しくみるのであれば、僕たちは常にインデックスファンドという選択肢がある以上、彼らの手数料はインデックスファンドと比較したときの超過リターン分から算出すべきという話もありますが、それはひとまず置いておきます。

外国株をNISA口座で運用したときに割引となる税金で10%程度(外国税の分は無税にならない)ですから、17%を毎年取られるって相当ですよね。

具体的に比較してみよう

基準とするリターンはS&P500の長期データより、年6.6%とします(日本株を対象にしたファンドも混じってますが、まあ)。

では人気のファンドの実質手数料を比較してみましょう。

投資信託、ETF 種別 信託報酬 実質手数料
ひふみプラス アクティブ 1.0584%  16%
SBI毎月分配REIT アクティブ 1.8712% 28.4%
SBIジェリバイブ アクティブ 1.836% 27.8%
VT(世界株分散ETF) インデックス 0.08% 1.2%
VTI(米株ETF) インデックス 0.04% 0.6%

今回選出した上3つのアクティブファンドは、SBI証券のホームページに掲載されていた上位3つの投資信託です。

元本を切り崩して分配がなされる毎月分配型のファンドに関しては、米株コミュニティではよく非難されているのを見ますが、仕組み自体は僕はそんなに悪いと思いません。

元本を切り崩して分配するというのは要は毎月少しずつ利確しているようなものですから、お年寄りが配当で暮らしたい場合などはそれが便利なこともあるでしょう。

ただ、やはり少々複雑な仕組みであるために手数料が高くなってしまうためにやはりオススメはできません。

ひふみプラスは今大人気のアクティブファンドで、カンブリア宮殿でも特集されたことによって火がつきました。

企業訪問などの地道な活動で日本の中小株を選別して投資するファンドで、近年良いリターンをあげています。

SBI中小型割安成長株ファンド・ジェイリバイブはひふみ投信以上のリターンをあげているファンドで、ここ5年のリターンは455%にも達しています。

しかし、統計的な視点で見た場合、これでもひふみプラスやSBIジェリバイブを優良ファンドと認めるにはまったく不十分です。

まず、そもそもこの2つのファンドの投資先がいずれも日本の中小株であり、日本の中小株自体の成績が良いからというのが一つ目の理由です。

また、統計的にみてもたくさんあるファンドの中でたまたまいい成績をあげるファンドが出現するのは自然であり、歴史的にみても一定期間において優秀なファンドが他の期間においても優秀な成績をおさめているようなデータはありません。

アクティブファンド vs インデックスファンド

2017年9月18日

ひふみ投信がなぜここまで有名になったのかを考えても、単に成績がいい時期に広告費をつぎ込んだ、またはたまたま番組等で注目されたとみるのがもっとも自然な解釈でしょう。

これらのことを考えても、これらのファンドに16%、28%というような高額な手数料を払う必要はまったくありません。

未知の可能性よりも確実なリターンをねらえ!

たしかに、過去のほとんどすべてのアクティブファンドがゴミだったからといって、これから良いファンドがまったく出てこないとは限りません。

でも、そんな可能性に、期待リターンの2割前後もの手数料を払うのが本当に正しいでしょうか?

手数料や税金というのは、どこかに存在するかもしれない優れた投資技法といったような実在するかもわからない不確かなものと違い、毎年確実にリターンを食いつぶすものとして跳ね返ってきます。

人間、どんなに不合理だとわかっていても宝くじが好きだから、「もしかしたら存在するかもしれない僕をお金持ちにしてくれる最強のファンド」を夢見てしまう気持ちもわかるんですけどねえ。

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